国家資格取得を自信に!女性技術者を増やす活動に取り組む
竹沢建設株式会社
竹澤 尚美(Release.2021.02)
■お名前:竹澤 尚美 年齢:39歳(令和3(2021)年2月現在)
2000年3月 栃木県立鹿沼高等学校 普通科卒業
2004年3月 青山学院大学 経営学部経営学科卒業
2004年4月 日本空港ビルディング㈱入社
2007年4月 竹沢建設㈱入社
温故知新
建設会社で事務や現場監督をされているとのことですが、この仕事に携わろうと思ったきっかけは何ですか。
大学卒業後、得意の英語を活かして羽田空港に勤務していましたが、夢を叶えたあとは、残りの人生少しでも両親の力になろうと思い今の会社に転職しました。
仕事でやりがいを感じるのは、どんな時ですか。
建設会社で働く最大の喜びは「成果が目に見えてわかる」ことだと思います。自分が時間をかけて取り組んだ結果、道路や橋ができた時の感動はひとしおです。完成後も「たくさんの人が使ってくれているな」という様子が見えるので、仕事で落ち込んだ時もモチベーションを上げられます。
大切にしていることはありますか。
経営者の立場として大切にしていることは、「社員の幸せを通じて社会に貢献する」という思いです。
どれだけ経営状態が良好な企業でも、人の心が離れていってしまえば徐々に崩壊していってしまいます。どんな困難な状況にあっても、お互いが一致団結して目標をなし遂げていく際に基礎となるのは一人ひとりの「心」なので、働く人たちの生活を守り、人生を預かるという大きな責任感をもって働いています。
社員がやりがいを持って安心して働ける会社であってはじめて、社会から望まれる会社であり続けられるのではないかと思っています。
建設業は男性が多いイメージですが、職場で女性ならではの悩みや壁を感じたことはありますか。
私は年子の兄がいるので、遊びが男の子のものばかりだったせいか、男性社会に入っていくのはそう難しくは感じませんでした。しかしながらやはり建設業は「力仕事」「男性社会」であり、女性である私がどこまで出来るのか入社してしばらくは疑問や悩みが絶えませんでした。
デメリットというのは体力や力面だけであり、この業界では女性だと目立つので、周りの人に大事にしてもらえたり社外でもいろいろと話しかけてもらえたりするのでメリットの方が多いような気がしています。
女性の視点や配慮は今の建設業界にはとても重要なものであり、会社にとっても良いPRに繋がると思っています。
大変だと感じることはありますか。
災害対応や除雪などは休日夜間も対応しなければいけないので大変だなと感じました。
鹿沼市では平成27年の豪雨災害、令和元年の台風災害があり、ほとんど寝ずに応急工事に取りかかりました。
やはり建設業は危険と隣り合わせであることを実感すると共に心身共に疲労困憊しました。
自身のキャリアアップについて教えてください。
入社して数年経った頃、女性であることで現場には携わらず事務員であることに疑問を感じ始めました。また経営者の立場として現場でしか分からない社員の苦労や葛藤を知りたいと思い始めるようになりました。
事務所の中にいるだけでは社員がおかれている現実や人間関係は分かり得ませんし、無駄な経費にも気づけないと思います。
そこで経営だけでなく国家資格(一級土木施工管理技士)を取得し、現場監督も出来るようになろうと決意しました。
キャリアアップした結果、変化はありましたか。
やはり1番は自分にとって大きな自信になりました。
会社の名刺にも「一級土木施工管理技士」と入れていただいたので周りからの信用度も変わったと思います。
資格は裏切らないし、一生ものです。
たとえ結婚や出産でキャリアをリセットとしたとしても次のキャリアで活かしさらに積み上げることができます。キャリアは人としての力量や器を大きくしてくれますし、その人自身を豊かにしてくれると思いますので、女性だからといって諦めるのではなく、いくつになってもどんな環境でも前向きにチャレンジし続けていきたいと思っています。
今後の展望や目標を教えてください。
2016年に産・官の女性技術者8人で発足した「とちけん小町魅力向上委員会」の一員として活動を始めました。男性社会と言われている建設業界において、女性が働きやすい現場へと環境を良くし整備することで、女性が仕事と家庭の両立で活躍していける業界づくりに真剣に取り組み、また私達の活動を一人でも多くの方に知っていただき、女性技術者がたくさん増えるように建設業の良さをどんどんPRしていきたいと思っています。
また個人としては父のような経営者、もしくは父を超えられるように、経営だけでなく現場にも携わり、社員や発注者、地域の住民の皆さんから信頼されるような人に成長し、今よりも大きな会社にしていきたいと思っています。
仕事と家庭の両立のために、大切にしていることはなんですか。
とにかく「頑張り過ぎないこと」だと思います。私は元々「妻は母は、こうあるべき」という自分の中の理想がありました。どちらかというと完璧主義で手の抜き方が分からずに、結婚した当初は心身共にクタクタでした。自分で自分を追い込んでいたと思います。そんな状態でしたので夫ともぶつかることが多かったですし、出社するのが辛い日もありました。
ですので今は「〇〇すべき」を捨てていかに周りの人や物、制度やサービスに頼るかを大事にしています。そうしたちょっとの工夫で生まれたゆとりの時間を、家族と過ごす時間にあてるほか、自分を労る時間に使えるようになり笑顔の日が増えたように思います。
後輩女性へのメッセージ
数年前の総合学習支援で小学校を訪問し、建設業のPRや一緒にモノづくりを行った際に、女子児童に「お姉さんみたいな人になりたい」と初めて言われました。
私は作業服にヘルメットなんて可愛くないし、この職業をやってみたいと思う女の子なんているのかな?と思っていたのですが、そう思っていた自分がとても恥ずかしくなりました。
私が入社した十数年前よりも今はずっと環境も整い始めており、作業着も女性ものが増えました。職場環境は会社にもよるのかもしれませんが、後輩の皆さんは仕事のやりがいを持っていただきたいと思います。
体力では男性と同じよう働けないので責任ある立場につけないと思われるかもしれませんが、資格を身につけることで技術者として対等に話をすることが出来ます。
皆さんの先輩として出来る限り、サポートしていきたいと思います。
ウーマンズデータ
出産前までは夫とスポーツジムに通い、スーパー銭湯に行ってゆっくり湯船に浸かって一週間の疲れをとっていました。
夫とは趣味がほとんど一緒なので、スポーツ観戦をしたりTVゲームに夢中になったりと2人の時間を過ごすことが多かったです。
通勤時間に好きな音楽をかけて大きな声で歌うこと
人と接するのも大好きなので、友達と美味しいカフェに行ったりランチするもの良いリフレッシュ
COMPANY DATA
竹沢建設株式会社
〒322-0075 栃木県鹿沼市下日向858-2
TEL.0289-64-0863
FAX.0289-62-8339