地域みんなで子育てする環境を作りたい
TOCHICO日和・両毛印刷株式会社
松本 真由美(Release.2021.02)
■お名前:松本 真由美 年齢:43歳(令和3(2021)年2月現在)
1996年 栃木県立栃木女子高校卒業
2000年 白鴎大学経営学部卒業
2000年 地元漬物会社の営業として入社
2003年 実家のプラスチックケースメーカーの営業として入社
2008年 結婚 2児の子育て
2015年 嫁ぎ先の両毛印刷の仕事を開始
2015年10月 「TOCHICO日和」創刊
2018年 第3児出産
感謝の心を持って、常にポジティブでいれば、縁とタイミングがついてくるはず!
今の活動の具体的な内容について教えてください。
年4回発行しているフリーペーパー「TOCHICO日和」の制作を軸にし、図書館と連携してサロンを行ったり、社会福祉協議会と連携してリサイクル活動を行っています。また、企業と連携して小さなマルシェを展開したり、年に数回、商工会や他団体と連携し、来場者1,000人規模の大きなマルシェも行ったりもしています。
このような活動に携わろうと思ったきっかけ、動機は何ですか。
栃木市で育ち、3人の子育てをしていますが、女性にとって、妊娠・出産・子育ては、それまでとは全く異なる人生の始まりです。特に栃木市に嫁いできたママたちが、寂しく孤独な育児をしている人が多い事を知り、もっと栃木市での子育てライフを楽しみ、ほっとできたり、街と繋がるきっかけづくりをしたいと思い始めました。
一方で、自営業の家庭で育ち、経営学部を卒業、社会人でもずっと営業をしていた私。嫁として印刷会社の手伝いをしなければいけないと思いつつ、1つ自分らしさを保てる仕事を作りたく、こんな冊子を作ってみたいと夫に提案したところ、やってみたらと即OKをもらえたのがきっかけでした。
その後も、基本的な活動に否定はせず、ポイントごとに後押ししてくれる環境に感謝しています。
活動のなかでやりがいを感じるのは、どんな時ですか。
こんなイベントを待っていたとか、TOCHICO日和を愛読していると聞くととても嬉しいです。5年の間に、他団体や行政との関わりが増えたことで、子育て世代代表として役割を頼まれる事も。
子育て・仕事・ボランティアの両立は大変ですが、やりがいがあります。
大切にしていることはありますか。
栃木市で子育てしているママたち、特に孤独な育児をしている人や、このコロナ禍で寂しい思いをしているママたちの手元に、紙媒体だからこそ伝えられる温かさも大事にしつつ、役立つ情報はSNSを通じて発信できるよう、幅広い視点を持ち続けたいと思っています。
また、公共施設に置いてもらえているので、いわゆる広告媒体ではなく、あくまでも「子育て情報誌」というカテゴリーからはずれないような紙面づくりにこだわっています。
活動で困難に感じること、大変だったことはありますか。
軸にある子育て情報誌はフリーペーパーの為、継続するには協賛が必要です。スポンサーや応援してくれる方への営業活動も欠かせません。また、ボランティアさんも、子どもの成長や環境によって変わる事もあるので、常に関わる方々との関係づくりを大切にしています。
自身のキャリアアップについて努力したことはありますか。
キッズ向けのアンガーマネジメント講座や、働く女性向けのセミナーに参加したりしました。
SNSで見つけたり、パルティの講座案内を見たり。ただ、宇都宮開催が多いので、子育て中はなかなか行けないことも。
講座やセミナーに参加することで何か変化はありましたか。
やはり目標を持った女性たちと接すると、自分への励みにもなる為、少しずつ成長はできたかなと思います。学ぶことにゴールはなく、常に目標を持って行動しています。
今後の展望や目標を教えてください。
コロナ禍でイベント開催が困難な今、SNSを通してできる可能性も模索しています。オンライン座談会を始め、子育て目線で動画制作をして栃木市の魅力を伝えたり、ママが働きやすい企業とコラボして宣伝をするなど、「子育てしやすい街づくり」の一役を担いたいと思っています。
2019年10月の水害の際、チャイルドシートやベビーカーが流されてしまった人たちのために(自分もそうでした)、SNSで募集をかけたところ、多くのママ達が寄付をしてくれました。
TOCHICO日和が繋ぎ役として間に入ることで、情報が拡散できたり、お互いに気を遣わずにリサイクル品のやり取りができたのも、良かったのかもしれません。
その時に忘れられないのが、譲ってくれる人の中には涙を流す方がいたこと。
「1人では何もできないけれど、少しでも役に立てるなら嬉しいです。頑張ってくださいと伝えてください!」などと言ってくれ、そんな方々の優しい気持ちに感動しました。
TOCHICO日和が繋ぐ役割をすることで、栃木市の子育て世代に優しいネットワークができればなと思います。
一方で、TOCHICO日和に関わる活動は、ほぼボランティア。なのでそれ以外の仕事の幅も広げていかなければいけないと努力しています。両毛印刷は、2度の水害を受け、2019年10月の台風時には壊滅的な被害を受けました。2020年12月、新社屋がやっと完成し、夫や社員と共に、新たなスタートを切ることになりました。新社屋に掲げたのは【RYOMO SOLUTIONS】。印刷だけではなく、関わる人たちの様々な課題を一緒に解決していく。そのような心意気を持ち、学び続け、TOCHICO日和だけでなく、印刷会社の嫁としても活動の幅を広げていきたいと思っています。
ご家庭と両立するために、大切にしていることはなんですか。
仕事・家事・育児のバランスを取ることです。1つの事に力を入れすぎると、体も心もバランスを崩してしまいます。その為に、私にとって自分の心がHAPPYでいられるか、が重要。ママが笑顔でいることが、家庭にとってはとても大事。
周りの人に生かされていることに常に感謝をし、家族と自分が笑顔でいられれば、困難も乗り越えられる気がします。
大変だと感じること、それを乗り越える方法はありますか。
自分一人では出来ない事も多いので、周りの人たちに助けてもらっています。が、企画運営は基本的には自分なので、自分がダウンしては冊子が発行できないと思うと、気が抜けません。特に3人目を妊娠・出産の頃は、TOCHICO日和を休刊するつもりはなかったので、ギリギリまで配布納品をし、出産入院中も執筆活動をしていました。お腹が大きくなると、普段なら300冊程度運べていたのが、50冊持つだけでお腹が張ってしまい、ゆっくりゆっくり動いていたのを覚えています。
それでも、自分の手で作り、届けたく、TOCHICO日和には自分の想いを注ぎ続けたいという気持ちが強かったです。そして、どんな時でも、自分も楽しみ、読んでくれる人たちには温かい気持ちで子育てしてもらいたい。地域みんなで、温かく繋がれたらいいなと思っています。そう思って活動していると、大変だなと思う事は、協賛集め以外はありません(笑)。
ご家族の反応
夫は、いいも悪いもあまり口出しをしませんが、全般的に後押しをしてくれています。
私が家でも仕事をしていたり、活動状況がメディアに出たりするので、子どもたちの生活の中にもTOCHICO日和が浸透しています。
家族大好き長男とお菓子作りが好きな娘は、将来ママと一緒にTOCHICOカフェをやりたいといって、時々楽しそうに夢の話をしています。
後輩女性へメッセージ
子育てしながら働くことは大変ですが、今の時代は少子化・自然災害などの課題もあるので、日常から少しずつでも、地域みんなで子育てをしていく環境を作るのも大事だと感じています。
また、新しい活動は、結果はすぐ出ないかもしれませんが、人との縁や繋がりを大切にし、信念を持って進む事が大切ですね。
認定こども園さくら 子育て支援センター「ゆめふうせん」内
caféさくらさく店主 熊倉梨紗さん
いつも明るい松本さん。
お仕事で多忙なはずの彼女ですが、イライラしたりどんよりした暗い顔は見たことがなくいつも笑顔でカフェにいらっしゃいます。
またお子さんが3人もいらっしゃるので、きっと家事も育児も相当大変だと思うのに、まったく生活感がなく、時には疲れていると言いながらも、そんな様子は出さずに、私どころか他のスタッフにも気を配ってくれたり、顔見知りのお客さんにまで声をかけたりと、常にアンテナを張ってオンの状態でいらっしゃるので接客する私にとっても見習うべき存在です。
常に穏やかな表情でいらっしゃり、またお話をする中でいつも褒めてくれたり喜んでくれたり、相手のことを考えて行動をされている方です。
カフェ内を利用してTOCHICO日和オンライン座談会がありましたが、スクリーンを通してお顔を拝見した時や、またSNSでのお写真を拝見してもいつもニコニコとされていて、時には後光が差してるように見えて、もう私には観音様か菩薩様にしか見えません(笑)!
ウーマンズデータ
最近は平日が忙しすぎて家事がほとんどできない為、溜まった家事をやりつつ、子どもと遊んでいます。
食べることが趣味で、コーヒーが大好き朝と夜はバタバタなので、せめてランチくらいは美味しいものが食べたいと思い、カフェなどでランチをしてリフレッシュしています。
特に最近は、子育て支援センターにカフェを併設した場所があり、フリーWi-Fiもあるので、そこで仕事をしながらランチをする時間がとても有意義となっています。