ONE-UP!WOMANインタビュー

根っこは一つ、切り口は沢山ある

事務局:栃木市人権・男女共同参画課
おおひら男女共同参画をすすめる会(Release.2022.10)

プロフィール

■お名前:おおひら男女共同参画をすすめる会 会長:若菜貞子さん 構成人数:15名(令和4年4月現在)

経歴

平成12年~「輪のまち大平実行委員会」設立、活動開始(~平成14年)
平成15年~「おおひら男女共同参画をすすめる会」と改名
平成16年「おおひら男女共同参画のつどい」年1回開催を開始
平成19年~ 寸劇&朗読劇を会員が自作自演し、啓発活動に活かし始める
令和3年 朗読劇「アンコンシャス・バイアスって知ってる」を創作し動画として編集

主な活動内容

 

☆定例会

毎月1回第3月曜日、大平公民館で開催しています。年度の研修テーマを設定したり、テーマに沿った研修、研修から得たものを題材とした寸劇・朗読劇を創作し、劇の練習を行っています。

 

☆「おおひら男女共同参画のつどい」の開催

定例会での研修の集大成として、「おおひら男女共同参画のつどい」を開催しています。年度の研修テーマを「つどい」のテーマとして、寸劇・朗読劇の上演や講師による講話を実施しています。

 

☆学校部会の活動

小中学生を対象に、男女共同参画に関する標語コンテストや、メッセージ紙芝居「ももこの大作戦」の創作と出前講座を行っています。「ももこの大作戦」は、昔話の桃太郎にヒントを得て、もしも桃太郎が女の子だったら…と固定概念・偏見・個性の尊重・男女平等などに気づかせながら物語は進展します。出前講座は、学校だけではなく、地域の教育関係団体からの依頼も多かった。

 

☆寸劇部会の活動

当会は、年度ごとに研修テーマを掲げて活動を進めています。寸劇や朗読劇はテーマに沿った内容とし、劇を見た参加者が意識変革への気付きを感じたり、問題提起できるよう配慮して創作しています。台本は定例会で全会員が資料収集したり、自分の経験を話し合った事例などを活かして、寸劇部会員が作り上げます。主に、「おおひら男女共同参画のつどい」で上演し、これまで創作した劇は14作品となりました。

 

この活動をはじめたきっかけを教えてください。

 

 平成15年に、大平町(現栃木市)で「おおひら男女共同参画プラン」策定されました。このプランは、「官」「民」「学」の連携によって、「大平町男女共同参画プラン策定委員会」と「男女共同参画協同ワーキンググループ」が組織され、プランを一から検討し、創り上げました。この策定委員会とワーキンググループの中に、すでに男女共同参画社会への啓発活動を進めていた、「輪のまち大平実行委員会」の会員が多く参加していました。

 プラン最終検討会の時、「これで終わりではない、これが始まりよ」という声が委員の中から上がりました。策定に関わった約8ヶ月、完結の喜びと共に、使命感のような、プラン実現のための意識が高まったのだと思います。

 こうして、「輪のまち大平実行委員会」と策定に関わった「民」と共に、「おおひら男女共同参画をすすめる会」が組織され、プラン実現への道を歩み始めました。

 

活動のなかで工夫している点はありますか。

 

 会の運営では、男女共同参画をすすめる会であることから、会員が皆同じステージの上に立ち、企画の段階から協議することをモットーとしています。

 また、“根っこは一つ、切り口は沢山ある”ということで、そのときの社会の必要課題を念頭に置き、市民の目線でテーマを決めて年間の会員相互研修の計画を立てています。その成果が、おおひら男女共同参画のつどいの活動に活きています。  

 

「おおひら男女共同参画のつどい」ではどのようなことを行うのですか。

 

 定例会での研修の集大成として、「おおひら男女共同参画のつどい」を開催しています。寸劇や朗読劇の上演や、おしゃべりティータイムなどを行っています。

 寸劇や朗読劇は、研修テーマに沿った内容で、劇を見た参加者が意識変革への気付きを感じたり、問題提起できるよう、配慮して創作しています。台本は、定例会で全会員が資料収集したり、自分の経験を話し合った事例等を活かして、寸劇部会員が作り上げています。演出にあたっては、全会員の中から適役を選んで練習に入ります。

 現在はマスクの着用によって、上演の際声が通りにくいなどの問題があります。客席に向かってマスクを外すことはできないため、動画を作成して上映することになりました。実際はイベントそのものが中止となってしまいましたが、このような工夫も行っています。

 おしゃべりティータイムは、参加者の参加意識を高めるためのワークショップですが、和やかな雰囲気を醸し出すようなタイトルにし、お茶菓子を用意して行っています。(現在はお茶のみ)

 

活動のなかでやりがいを感じるのはどんな時ですか。

 活動に対して、好評を得た時です。「おおひら男女共同参画のつどい」の後、参加者から感謝され、全日程が無事終了したときは、会員一同喜び合います。

 また、アンケートや子ども達の御礼の手紙の中に、会員が期待している反応が読み取れた時も、とてもやりがいを感じます。

 

活動で困難に感じること、大変だったことはありますか。

 

 参加者50人程度の小規模な「つどい」なので、金額を考慮して年度の研修テーマに沿った講話が期待できる講師を決めるのは大変です。

 また、出来るだけの手段を講じていますが、人集めは難しいです。アンケート結果を見ると、膨大な数のチラシや広告、新聞などは効果が無いとはいえませんが、知人や会員からの呼びかけで来てくださる方が多かったです。広く住民に呼びかけたり、男性の参加を促す目的で自治会長あて案内状を送付したり、添書をポスト投函などで届けるのは大変でしたがとても効果がありました。

 他にも、組織の再編成時の出来事も印象的です。発足当時、「おおひら男女共同参画プラン」の4つの重点プロジェクトをもとに、事業部4,専門部2のグループ組織体制でそれぞれ主体的な活動を続けており、活動内容も充実してきたときに、4市町が新制栃木市として合併しました。そのため、様々な経緯を経て、活動の一部が中断したり、一部の活動は「栃木市男女共同参画地域推進員」の年間事業となりました。活動状況に合わせて組織は再編成をしますが、主体的に活動していた事が失われた会員の失意は再編に少なからず影響したと感じています。

 

今後の展望や目標について教えてください。

 コロナ禍での啓発活動の方法や、ある程度「ジェンダー平等」についての理解が広まっている中で、真の平等へ向かい、深まりのあるテーマは何かを模索しているところです。また、会員が高齢化し会員数が減少傾向にあり、会員増加も見込めないため、少人数の実働可能な会員での啓発活動についても考えていきたいです。

 

 

COMPANY DATA

事務局:栃木市人権・男女共同参画課


TEL.0282-21-2162