※「みんな」には、家族だけではなく、例えば便利家電や時短食材、家事代行サービスといった外部サービス等も含みます。
今回、栃木県内在住の20代~40代の男女を対象とした家事分担に関するアンケートを行いその結果を調査レポートとしてまとめました。
みんなで家事の負担を減らしていきましょう!
2024.3.22 生活文化スポーツ部人権男女共同参画課
【女性側】
男女の家事分担割合は、「男性1割:女性9割」にピーク(28.6%)があり、緩やかな右肩上がりのグラフになっています。
【男性側】
家事分担割合のピークは二つあり、ひとつが「男性2割:女性8割」(23.5%)、もうひとつが「男性5割:女性5割」(22.1%)となっています。
男性と女性の家事分担割合の認識には、ズレがあるようです。
「男性5割:女性5割」(22.1%)と回答した男性の年代内訳をみると男性30代(45.5%)、男性40代(17.9%)となっており、若い男性ほど分担意識が高い傾向があるようです。
女性が期待される家事のトップ3が「食事の準備」である一方、男性が期待される家事の1位は「お風呂掃除」、次いで「ごみ捨て」となっており、女性に求められる家事の性質が『準備や手間のかかる家事』に偏る傾向があります。
女性側で「不公平だ」と感じている方が多いようです。
対して男性の不公平感は低めです。
改善の必要を感じるという回答が全体の89%を占める結果に。しかしながら男性側だけで見ると「改善すべき」と回答した割合が74.2%(女性側では90%)と、男女間で意識に差がありました。特に女性の方が改善欲求が高い傾向があるようです。
求められる解決策の問いでは、「男性の職場環境(労働時間や上司・同僚の理解など)の改善」が1位、次いで「男性の意識向上を促す社会運動」となりました。
「改善すべき」と回答した女性からは、女性の家事負担が大きいことに対する不満が多く見られました。また就労している女性は特に負担が大きくなるという意見もありました。一方で、家庭によって違うといった「仕方がない」といった意見もありました。
「改善すべき」と回答した男性からは、「男女平等」や「女性も働く時代だから」「できる人がやればいい」といった意見がありました。
「改善する必要を感じない」と回答した男女からは、「家庭による」といった意見や、特に女性は「自分の思うように家事をやりたい」といった意見もありました。
家事代行サービスを使ったことがあるとの回答が4.2%であり、9割以上が利用したことがないとの回答でした。
家事代行サービスを利用しにくい理由の上位は、「費用が高い」、次いで「自宅に知らない人を入れるのに抵抗がある」で、費用面や信頼性の向上が家事代行サービスの利用率向上に繋がる可能性を示しています。
また、男性は女性よりも「家族が嫌がると思う」、「そもそも家事は家族で間に合っている」との意識が強く、家事代行に対する意識の変容が利用率の向上に繋がると考えられます。
今回の調査では全体として世代の傾向を捉えた啓発が必要であることが分かりました。
栃木県においても女性の家事負担は大きいですが、男性側で家事を担っている傾向がみられた若い男性の意識を継続させる社会環境の整備やサポートが不公平感の改善に有効となりそうです。
家事分担を促進していくには、料理などの「手間のかかる家事」をいかにうまくシェアし、効率よくこなせるかがポイントとなりそうです。
例えば料理のシェアについては、健康的な食事メニューを家族で一緒に考える、週に1回子どもと一緒に料理をする日を設ける、家族でスーパーに買い物に行く習慣をつけるなど、料理への関心が高まるコミュニケーションを増やしていくことが具体的な方法として考えられます。
家事代行サービスの普及促進には、費用面での対策や安心して利用できる信頼性の向上が必要となりそうです。
「家事改善の必要性」については、男女それぞれの考え方があるため、しっかりとコミュニケーションをとることが大切であると考えられます。